我が家の住んでいる街にはディズニーランドがあります。
生まれた時から、ディズニーとともに育っているので、外人さんを見てもなんの抵抗もなかった息子です。
幼稚園の頃から、英語を習い始めましたが、遊びの一環のような感じでそれほど真剣さはありませんでした。
小学校4年生の時に、近くに住んでいるディズニーのダンサーさんとふっとしたことからお友達になり、我が家に遊びにきてくれるようになったんです。
それがきっかけで英語がもっとしゃべれるようになりたいという気持ちが強くなったのでしょうか・・・!?高学年になり、英検にチャレンジしたいと言い出しました。6年生で3級がギリギリで受かったものの、今まで楽しいと思っていた英語が勉強勉強になってしまい、英語が少し嫌いになりかけ、中学に入学しました。
中学での英語はもちろん息子にとって最初は簡単でした。会話は好きだけど、文法の勉強は大嫌いで、中学になって初めて英語を学習する子達にも追いつかれ始めたのです。
それでも中学一年の時に夏休みにどこか(英語圏)に1人で行ってみたいと言ったのですが、少し様子を見て、1年伸ばして、今年の夏にフロムウエストさんのお世話になり、バンクーバーに行かせていただきました。
今回で海外は3回目ですが、1人で行くのは全くの初めてです。親のほうが心配で、何度も「成田からはずっと1人だけど、本当に大丈夫なのか」と確認をすると、「電車が飛行機に変わるだけでしょ」という具合で親が心配するほどではないのかなと思い、いい経験になることは間違いなしだと思い、主人も私も息子の力を信じて旅立たせることになったのです。
出発の日、成田に送りに行くと、「ウォ~何だか緊張ドマックス!!やばいなぁ」と、とても不安そうにしている息子でした。それでも時間になると、「わからなくなるといけないから、早めに行くよ」と言い、搭乗ゲート口へ。ここからは私はもう付き添えないので、何度も保険のことや、現地でのことなどを話し、「じゃあ楽しんでおいで」と言って見送り、私は搭乗デッキで出発時間まで飛び立つのを待っていると、珍しく息子からメールが。
息子:「ブラブラ回ったけど、すごい・・・」
母 :「パスポートと搭乗券しっかり保管してね」
息子:「うん。緊張感MAX」
母 :「大丈夫だよ。ママも心配してるけど、あなたは意外としっかりしてるから!リラックスしてね」
息子:「座席番号って前から数えるの」
母 :「CAの人がきちんと教えてくれるから、大丈夫だよ。焦らないよ。ねっ」
息子:「は~い」
息子:「もうすぐ搭乗するよ」
母 :「大丈夫だよ。落ち着いてね!」
息子:「今乗ったよー!隣り外国人だから気をつけないと・・・あまり人を疑いたくないけど。」
母 :「そうだね。でも優しい人は注意してね!怖い人は見ればわかるからね。とりあえず話しかけてみれば」
息子:「早速挨拶したよ」
母 :「よかったね。いい感じだね。ママも何だかドキドキしてきたよ。気をつけてね!とにかく楽しんでいろんな経験しておいで」
息子:「うん。もうすぐ離陸だから!ママ身体気をつけてね^^」
母 :「ありがとう!行ってらっしゃい」
この息子の最後の一言で、私の涙腺がどーっと緩んでしまって、人目も関係なく泣いてしまった私です。飛行機が飛び立つまで、息子を育ててきたことがいろいろと思いだされたんです。
早産で生まれ、肺呼吸ができず、保育器に入り、その後、3歳の時に自閉症の疑いと言われ・・・。細かいことをあげたらきりがないけど、とにかく涙が止まらなかったです。
2週間のバンクーバー滞在ですが、事前にホームスティ先の方からも温かいメールをいただいていたし、けいこママさんのほうでいろいろ手配をしてくださっていたので、あとは本人の力を信じるしかないので、行ってからは、それほど心配はしませんでした。
たまに息子からメールがきて、「メキシコ人最高」とか「学校楽しい」とかそんな短いメールがきました。
ホストマザーの方からもこんなことしましたよってメールを下さったり、フロムウエストさんからも様子を知らせて下さったので、楽しくやってるんだなぁ・・・と安心感でいっぱいでした。
帰国して本人に話を聞くと、5つのことを言ってました。
1 外国人に対して偏見がなくなった。
これは中国や韓国の人が日本を非難するようなことを報道で言っているのを見ていたので、本人の中で日本人を敵対視しているのだと思っていたようで、実際に語学学校で中国や韓国の方と接するとそんなことはなく、むしろいろんな話ができたようで、楽しかったそうです。
2 英語を話すことが少し好きになった。
中学に入り、文法を気にするようになってしまって、日本人特有の間違っていたらどうしようの考えがあり、日本でのレッスンでも話すことが嫌いになりかけていたので、今回のホームスティで間違えたら、直せばいいんだというような、ある意味開き直りのような感じもしましたが、少し勇気をもらってきたようです。
3 他国の人と仲良くできた。
誰とでもすぐに友達になる息子なんですが、「言葉の壁」という面では心配があったのだと思います。
4 店での会話が上手になった。
家族で海外旅行に行くと、オーダーをするのは主人か私だったので、自分で初めて「○○下さい」ということをしたことがなかったので、いろんな体験をしたのだと思います。「これを探しています」「いくらですか」初歩的な会話なんですが、それが通じる喜びみたいなものを生で感じることができたということです。
5 異国文化をもっと知りたくなった。
日本の歴史が大好きな子なのですが、カナダの文化、また中国・韓国の文化、そして他の国のことを知りたくなったようです。
残念だったことを聞くと、自分では(日本の授業では)リスニングがかなりできると思っていたのが、実際には聞き取るのが難しく、思った以上に外国人の話すスピードが速かったようです。それと仲良くなった他の国の人にアドレスを聞き忘れてしまったというか、聞いていいのか迷ってしまったようで、聞けなくて、帰国してからコンタクトがとれなくて、淋しいと言ってます。
英語を話せると世界が広がるというのが生で感じることができて、高校進学は迷っているみたいです。帰国してすぐには「カナダの高校に行きたい」と言ってはいたのですが、それには自分の英語力もかなりつけないといけないことは確かですし、もう少し自信をつけてから、学びに行こうか・・・いろいろと息子なりに考えているようです。
2週間という大変短いバンクーバーの生活でしたが、いろんな面で影響も受けたのではないかと思っています。今後この体験が生かせるといいなぁと思いますが、今は今まで通りの中学生活を送っている息子です。
いろいろとプランニングをしてくださった、けいこママさんには本当に感謝を申し上げます。
そして素敵なホストファミリーの方で、親も子も安心して任せていただきました。
息子のわがままや息子の日本でのお話なども聞いて下さって、うれしく思います。ありがとうございました。
また機会がありましたら、是非サマープログラムに参加させていただきたいと思います。
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